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妊娠と仕事
順調な妊娠経過を保ちつつ、仕事や職場と円満に向合ったり退職する為のポイントや予備知識をご紹介しています。
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妊娠しても仕事を続けたい方や
休暇は取りたいけど退社はしたくない方、
円満に退社したい方などへのアドバイスをご紹介します。
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妊娠と仕事
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- 職場への
報告
仕事をどうするかの選択肢に係わらず、
職場への妊娠報告は早目のほうが良いと思います。
続ける場合は勿論ですが、スグに産休を取得するにしても退職するにしても、
休暇や退社となるまでの期間に妊娠経過上あまり良くない業務(重労働で無くても「ちょっとソレ取って下さい。」と言われた物が、
高い場所に置いてあったりなど、ちょっとした事でも妊産婦には良くない事が有ります。)を与えられてしまったり、
不測の事態に周囲の対応が遅れてしまったりする可能性があります。
責任あるポジションに就いていたり、逆に発言力の無い位置に居たりすると切出し難く感じますが、
余り遅くなると業務内容の軽減や引継ぎが上手くいかなかったりもしますので、
自身にとっても職場にとっても早目の方が良いと思います。
ひーママは肩書的にはパートタイマーという位置付けですが、
有難い事に人権に関して恵まれた職場環境でして、業務面では妊娠の報告について悩まずに済みました。
けれども職場内での人間関係では、「清純」というよりどちらかといえば
ダーク(グレー?)サイドというか、少々ですがひねた存在感を持っていましたので、急に幸せ一杯な報告をする事に気恥ずかしさを
感じていました。
しかしひーパパは早い報告を望み、ひーママも背中を押されるがままに素直に報告し、
結果、周囲の人達から温かく祝福してもらえましたとさ。
- 仕事を
継続する
母体と職務の再確認
職場からの離職誘導
もし職場の出産に対する理解が乏しく、退職を勧められてしまった場合には、
「男女雇用機会均等法」の第9条にて、解雇や不利益な扱いは禁止されているので、
法律的にこちらのほうが強いです。
しかし現実社会において、直接的では無くても間接的に居心地を悪く
されてしまったり、ご自身が社内状況を観て妊産婦が従事する余裕が無いように感じてしまったり、
などがあると思います。
そのような場合には、「労働基準監督署」や、各自治体に「労働局雇用均等室」などの
相談窓口がありますので、そういった機関へ相談してアドバイスを得たり、
自分自身が職場全体を視野に入れた考えを持った上で上司や同僚、部下などと
話合う事によって、会社側の反応も変わってくるかもしれません。
不利益に関する保護制度
「男女雇用機会均等法」
第9条
「事業主は、女性労働者が妊娠・出産・産前産後休業の取得、妊娠中の時差通勤など男女雇用機会均等法による
母性健康管理措置や深夜業免除など労働基準法による母性保護措置を受けたことなどを理由として、
解雇その他不利益取扱いをしてはなりません。」
※ 不利益な取り扱いと考えられる例
- 解雇すること。
- 期間を定めて雇用される者について、契約の更新をしないこと。
- あらかじめ契約の更新回数の上限が明示されている場合に、当該回数を引き下げること。
- 退職又は正社員をパートタイム労働者等の非正規社員とするような労働契約内容の変更の強要を行うこと。
- 降格させること。
- 就業環境を害すること。
- 不利益な自宅待機を命ずること。
- 減給をし、又は賞与等において不利益な算定を行うこと。
- 昇進・昇格の人事考課において不利益な評価を行うこと。
- 派遣労働者として就業する者について、派遣先が当該派遣労働者に係る労働者派遣の役務の提供を拒むこと。
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産前・産後休業
なるべく仕事に穴を開けたくない方でも、出産を前提としているなら幾らかの休業は必要になると思います。
(ノートパソコンだけあれば仕事が出来る人も、携帯電話さえあれば仕事に成る人も、
陣痛や出産の最中は無理かと思います。)
母子の健康の為にも、仕事の為にも、職場側と早目に話合って
休暇の期間をきちんと決めると良いと思います。
早目に決めておけば、職務上の引継事項の整理も出来ますし、引継いでくれる人の
業務上と心境的な準備も出来ます。
会社勤めであれば、先に就業規則を読んだり社内規定を調べておいてから、
自分なりの考えを持った上で話をするとスムーズにいくかもしれません。
(産前・産後の休業制度については、『産前・産後休業の保護制度』にて
ご紹介します。)
勤務中の健康管理
ひーママの職務内容は主にデスクワークでしたが、時には急いで社内を行き来したり、
比較的高い位置にある物を出し入れしなくてはいけない場面もあり、そういった部分についてはなるべく意識して慎重に行いました。
妊娠前は使わなかった膝掛を持って行ったり、休憩時の飲み物にルイボスティーのティーパックと
水筒にお湯を持って行ったりしました。
また会社からは電磁波エプロンの貸出しもあり、ひーパパは使う事を勧めましたが、
そこまで必要だと思わなかった ひーママは借りるタイミングを失い、結局使いませんでした。
『職場への報告』の体験記でも少し触れましたが、
ひーママの職場は現在の社会情勢的に考えてかなり恵まれているというか、きちんと法律を守ってくれる職場でして、
パートタイマーの妊産婦状態での就業についても、産前・産後休暇についての話合いにしても、問題無くスムーズにいきました。
そのような職場環境であっても勤務中に気分が悪くなって嘔吐した事があり、ひーパパに連絡し、
ひーパパは仕事を切上げて迎えに行くよりタクシーで病院へ向かったほうが早いと助言し、診察の結果
『感染症』の体験記で書きましたが胃腸炎になってしまい、
急な早退と翌日欠勤となってしまった事もありました。
- 休暇を
取得する
円満な取得
休暇を円満に取得する為には、職場側の出産に対する理解力も必要ですが、
従事者である妊産婦自身の観点や働き掛けも大事かと思います。
妊娠したのですから休暇は当然の権利なのですが、そういった気持ちだけを前面に出していると、
円滑に進むはずの話も後味が悪くなったりし兼ねません。
国が定める法律以外にも、会社の就業規則に妊産婦に対するしっかりとした保護規定があり、
そういった保護制度を取得してきた先輩お母さん社員が沢山居るような職場では、自分がその立場になった時に、
意識せずとも権利の主張だけが先走りしてしまう場合もあるかもしれません。
休暇の取得だけに限りませんが、経営者や上司、先輩、同僚、後輩、部下の協力があるからこそ、
法律にのっとって休暇を取得できるという考え方でいると、気持ち良く休暇に入り易くなれると思いますし、
休暇が明けても戻り易くなると思います。
円満取得への留意点
- 早い時期での妊娠報告。⇒『職場への報告』
- 早目な休暇期間についての話合い。⇒『産前・産後休業』
- 休暇中の引継者への配慮(引継ぐ業務の整理や、引継者の準備のフォローなど。)。
- 関係者との日頃のコミュニケーション。
取得する権利
上記の円満な取得を目差した働き掛けをしているにも拘らず、
職場側が休暇に対しての同意を渋る場合などは、職場側の認識不足もあるかもしれませんので、
休業を取得出来る権利を盛込んだ話合をすると、流れが変わるかもしれません。
また、職場は協力的な気持になってくれているが、
経営状況から長期休暇は難しいといった返答の場合には、後にご紹介します育児休業期間と
混同しているかもしれませんので、下記を参考にして「最短で6週間です」と説明すると良いかもしれません。
産前・産後休業の保護制度
「労働基準法」
第65条
「産前6週間(多胎妊娠の場合は14週間)<いずれも女性が請求した場合に限ります>、産後は8週間
女性を就業させることはできません。」
(ただし、産後6週間を経過後に、女性本人が請求し、医師が支障ないと認めた業務については、
就業させることはさしつかえありません。)
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ひーママは規定枠一杯の休暇を取得する話合を、職場側と円満にする事が出来ました。
何度も同じ事を書いてしまいますが、パートタイマーであっても従業員の権利に対する職場環境が
良かった事が大きかったと思いますし、妊娠の報告や休暇についての話合が遅くならなかった事も
良かったと思います。
また、『妊娠後期』でご紹介しますが、日頃密接に係わる事の無い上司に対しても、
ひーパパの勧めで「懐妊の挨拶」というコミュニケーションが取れていた事も、円満休暇への後押しとなれました。
- 退職する
退職・復職の判断
出産を控えての退職に対する考え方は、生活環境や個人の性格によって多様にあると思います。
- 出産に合わせて転居などの生活環境の変化があり、退職せざるを得ない。
- 家庭に入り、家事や育児に専念したい。
- 現職より時間が短くて、軽易な職に転職したい。
- 退職はしたくないが、別業務へ転向したい。
- 経済的事情で退職したくない。
- 現職が好きなので、職務に没頭したい。
- etc...
退職するにしてもしないにしても、今後の生活に係わってくる事柄なので慎重に決めたいですが、
現時点で深く考えて決断しても、妊娠出産が始めての場合は特に近い将来に予測していなかった状況
になる可能性もあります。
その為にも、一時的な気持の盛上りや軽はずみな勢いに任さずに、
母体の健康と育児についてよく考え、経済面や家庭環境について家族とよく相談し、
なるべく沢山の情報や知識を得たうえで決めると良いと思います。
当初の考えと実際の状況が変化してしまった例を、参考までにご紹介します。
- 家事や育児に専念するつもりでしばらくは有意義に過ごしたが、やはり外の社会との関わりが欲しくなってしまった。
- 退職して家庭に入ったが、景気の動向で経済面が厳しくなり、元の職場への復職は出来ず、再就職先を探さなくてはいけなくなった。
- 育児をしながらでも勤められそうな仕事に転職したが、長く勤めていた元の職場のほうが融通が利いていたと後悔した。
- 育児との両立が可能と考え職務の継続を希望したが、予想より困難で再度別の部署への移動をお願いした。
- 復職後は軽易な業務への転向で話はまとまっていたが、育児が想像以上に大変だったので退職した。
- 復職予定だったが、育児休暇中に懐妊してしまい、退職へ変更してもらった。
- 復職したが身内の病状が悪化し、育児と介護の両立を考えて退職した。
円満な退職
退職しても確定申告や色々な事象により、連絡を取ったり顔を出したりしなくてはならない場面が
あるかもしれません。
そのような為にも、ご自身の思い出の為にも、やはり円満退職
であるほうが良いと思います。
退職を決断した場合は、退職の意思を職場へ伝えなければいけませんが、
報告を行う前にまず、希望する退職日を決めてからですとスムーズにいくかもしれません。
退職時期を決めるに当っては、会社勤めであれば就業規則に「退社する一ヶ月以上前に通知」と
定めているケースが一般的に多いと思いますが、どのような職種であれ、新たな人材の確保や引継期間を考慮して
なるべく早めに報告する事が円満退職への材料の一つになると思いますので、
おのずと退社となる日までの期間に余裕を持たせたほうが良いと思います。
退職時期が近づいてきましたら、引継者が分かり易いように業務を整理し、自分しか分からない
ようなものは無いか確認し、理解し難そうな部分等は必要に応じてメモなどの説明書きを添付しておくと親切で良いと思います。
給付金の受給
退職された方は産後に再就職を希望する方に限り「雇用保険(旧称=失業保険)」の
「基本手当」というお金の支給を受ける事が出来ます。
受給するには条件があり、その条件を満たした人を「受給資格者」と呼びます。
受給資格
- 失業している。
- 退職した職場が適正に雇用保険の届出を行っていて、「被保険者」として就労していた。
(パートタイマーや派遣労働者であっても、6ヶ月以上の継続した雇用で、週に20時間以上の労働時間数がある場合は、
事業主の意思に関係無く被保険者として届出なくてはなりません。)
- 被保険者であった期間条件を満たしている。
通常は「離職日以前2年間に、被保険者期間が通算12か月以上。」なのですが、
妊娠、出産、育児等による離職者は「特定理由離職者」という範囲に該当し、「離職日以前1年間に、
被保険者期間が通算6か月以上。」となります。
(11日以上働いた月は、1ヶ月でカウント出来ます。)
- 就職する意思といつでも就職できる能力があるにも拘らず職に就けず、積極的に求職活動を行っている。
ハローワークで求職の申込みをし、実際に求職活動を行って記録し、
原則として4週間に1回来所して失業の認定を受ける必要があります。
(通常は離職日翌日からの1年間以内で、上記のような認定を受けて基本手当を受給する事に
なっていますが、この期間内に、妊娠、出産、育児(3才未満)などにより30日以上認定を受ける事が出来ない場合は、
その分の日数を最大で3年まで加算する事が出来るので、離職した日より4年間まで受給期間の延長が出来るという事になります。)
(この届出は、原則として延長資格を得た日である離職日より30日後から1ヶ月間以内にしなければなりません。)
退職後の年金制度
退職後に、厚生年金保険に加入している配偶者に扶養される立場(年収130万円未満)となる方
(サラリーマン家庭の専業主婦(夫)など)は、国民年金での「3号被保険者」という種別としての手続が必要になります。
国民年金は国民全員が加入することになっていまして、1号から3号までの3種類に区別されているのですが、
中でも3号は優遇されていると一般的に言われているようでして、そう言われるだけのメリットがあるようです。
- 保険料を支払わなくても良い。
- 国民保険(基礎年金)を支払った人と同じ年金が貰える。
- 配偶者が勤務する企業が手続を行ってくれる。
- 自営業家庭の専業主婦(夫)などには3号のような免除制度は無く、通常の保険料を支払わなくてはならない。
ひーぺあも、ひーママの仕事をどうするかについて話合ました。
- まずは、ひーパパの収入だけでは生活が厳しいので、夫婦共働きを選択しました。
- 産後の勤め先について ひーママは、今の職場を退社して違う職種への転職も考えていましたが、ひーパパは
「今の職場や業務内容が嫌でたまらないなら好きな職業に転職すればいいけれど、今の職場は従業員に対する保護制度も
しっかりしているし、話を聞いている分には業務内容も厳しいもので無い様に感じるから、退職せずに復職したほうが良いのでは?」
とアドバイスをし、ひーママも納得して休暇取得後に復職という話合を職場側とし、受理されました。
結果として復職後、退社しないで良かったと感じ、職場の人とも戻ってこれて良かったというような話が出来ました。
- 復職後の育児が伴った通勤についてシミュレーションし、保育園の保育時間帯と複数の公共交通機関の時刻表を調べて、
生活に合わせた ひーママ専用の通勤時刻早見表のようなものを作りました。
- 退職しないという選択をしたので失業の給付は関係無い筈だったのですが、出産後に100年に1度と言われる大不況で
ひーパパが失業してしまい、自己都合による離職では無いので、妊娠・出産・育児による離職者と同じ被保険者期間が適用されました。
- 年金についても種別の変更はしなくて良かったのですが、ひーパパの失業に伴い、再就職出来るまで出産した子供だけでも
ひーママの扶養としたかったのですが、雇用保険を受給している期間は無理との返答でした。